辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「この距離でエスコートは必要なかったか。悪い」

 彼らしくない早口で言うと、ランベールはさっと手を引っ込めた。

「エスコートだったんですね! すみません、勘違いしてしまいました」

「え……。あ、いや、勘違いさせて悪かった」

 なかなか動き出そうとしないふたりを、なにかを察した鳥丁たちがほのぼのと見守る。

 その間、ジョスランはリティから目を逸らそうとしなかった。

「とりあえず……行こうか」

「はい、よろしくお願いいたします」

 ランベールは再び手を差し出さなかった。

 リティはそれを残念だと思いながら、歩き始めた後ろ姿に続く。