辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 不躾な視線を送っていたと気づいたリティも、はっとしてすぐに会釈する。

「ティルアーク家のリティシアです」

「ああ。あなたが、あの」

「ジョスラン」

 なにか言いかけたジョスランをランベールが素早く止める。

「余計なことは言わなくていい」

「……別におかしなことは言いませんよ?」

 そのやり取りからは、ふたりが気心知れた仲だというのが垣間見えた。

(殿下にもお友だちがいらっしゃったのね。ご挨拶できてよかったわ)

 ほっとしながらも、ランベールが止めた先の言葉が気になってしまう。

(さっきはなにを言おうとしたのかしら……?)