辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「なぜ君がここに?」

 リティもまた、ランベールの顔を直視できず地面に視線を向けた。

「偶然、雛の孵化に立ち会ったんです」

「……そういえばそんな話も聞いていたな」

 ピイピイと雛の鳴き声を聞いたランベールが苦笑して、一歩後をついてきた騎士を振り返った。

「どうやら誕生の瞬間には間に合わなかったらしい」

「残念ですが、殿下の事情は雛に関係ありませんので」

 リティは初めて見る騎士をまじまじと見つめた。

 視線に気づいた騎士が胸に手を当て、きれいな所作で頭を下げる。

「ランベール殿下の護衛騎士を務めております、ウェルボーン家のジョスランと申します」