辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「エモニエで馬よりも戦鳥が身近なのは、雪道の移動に便利だからというのもあるが、なによりリコバの実が豊富な土地だからさ」

「考えたこともなかったわ……」

「戦鳥がリコバを運び、リコバが戦鳥を育てるという。雛が食べきれなかったリコバは新しい地に根付き、また新しい戦鳥を育てるために大きくなるからだな」

 雛は大喜びで次々にリコバの実を呑み込んでいた。

 リティの拳よりひと回り小さい実をひと口で呑み込んでは、くちばしの端から果汁を滴らせて甘えた声をあげている。

「種まで食べさせて平気なの?」

「自然界の戦鳥は、お上品に種なんて抜かないと思うぞ」