辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 やがて時間をかけて殻を破った雛は、頭にかけらをくっつけたままついに外へ飛び出した。

「ピイ!」

 成鳥たちとは違う甲高い声をあげた雛が丸い目を開く。

 うっすらと膜の張った目は銀と見紛う灰色だ。成長過程で徐々に黒くなっていくのだろう。

「おはよう。それともおめでとうと言うべき?」

 リティが話しかけると、雛は首を傾げる。

 それからくちばしを開いて、また鳴いた。

「無事に生まれてよかった。いつ生きた心地がしなかったよ」

 最年長の鳥丁の声が聞こえて振り返ったリティは、彼の手にある木の椀を見て驚いた。