辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「卵が……!」

 鳥丁たちの興奮の声も、今のリティの耳には入らない。

「頑張って」

 徐々に卵の殻が割れ、しっとりと濡れた雛が顔を覗かせる。

 ぴ、と鳴き声がした。

 その途端、様子を見ていた戦鳥たちが歌い始める。

「ねえ、これって……」

「新しい家族を歓迎してるんだ。でも、ここまで歌声が揃うのは初めて聞いたよ」

 鳥丁たちも神秘的な歌声に簡単の息を漏らした。

 そうしている間にも雛は卵の殻を破っていく。

(手を貸してあげたいけど、きっとだめなのよね)

 雛の孵化を成鳥が手伝わないのはそういうことだろうと判断し、はらはらしながら見守る。