辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました


 リティは深くうなずくと、敷き詰められた藁の上にある卵の前に膝をついた。

 きれいな藁が積まれているためか、辺りにはふんわりと太陽の香りが漂う。

「これが戦鳥の卵なのね……」

 子どもほどの大きさをした卵の中からは、かりかりという音が聞こえている。

 雛はとっくに目覚めているようだ。

「ねえ、聞こえる?」

 こつこつ、とリティの声に応えるように内側から殻を叩く音がする。

 いつもは騒がしい鳥舎だが、戦鳥たちは新しい雛の誕生を見守っているのか、やけに静かだった。