辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「相変わらず考えているようでいて、自分の意思がないのね」

「……なによ、それ」

 褒められると思っていたわけではないが、あからさまに馬鹿にされるとも思っていなかった。

 むっとしたリティを見上げ、デルフィーヌはまだ持っていた羽根ペンをテーブルに置く。

「わたくし、最初からあなたが気に入らなかったわ。なにも背負わず、妃候補に選ばれたくせにへらへらしてばかりで」

「私は……っ」

 なにか言おうとしたリティだったが、言葉が出てこない。

 明確に『気に入らない』と言われた衝撃は、想像していた以上にリティを傷つけた。