辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 最初は首をひねっていた医官も『あのマルセル様のご息女ならばありえるかもしれませんね』と謎の納得をしていた。

「ニナが言っていたこと、あなたも聞いたわよね。自分が妃になるために、ほかの妃を傷つけようとしている人がいるかもしれないって」

「わたくしは馬鹿馬鹿しいと返したはずよ」

「あの後、エリーズにも同じ忠告をされているの」

「それで? あなたがここに残る理由と関係があって?」

「そんな卑怯な真似をする悪人を、殿下の妃にするわけにはいかないわ。それなら私がなったほうがいい」

 エリーズにも伝えたそれを、デルフィーヌは鼻で笑った。