辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 デルフィーヌは驚いた表情を見せるが、すぐにまた眉根を寄せた。

「あなたに教えられなくても、自分で見つけていたわ」

「だけどそれにはまた時間がかかるでしょう?」

 デルフィーヌは答えず、リティが持ってきた本をじっと見つめている。

(余計なことをしたかな……。でも試験まで時間がないし)

「あなたはなぜ、まだここにいるの」

 顔を上げたデルフィーヌがリティに問う。

「妃にはなりたくないと言っていなかった?」

「なりたくないとまでは……。いろいろと考えることもあったし、この間のゴーレムの件も忘れられそうにないから」

 ゴーレムの攻撃を受けた背中は、もうすっかりよくなっている。