辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 傍らにはどっさりと本が積み上げられている。

 デルフィーヌはリティにも気づかないほど、一心不乱に見知った情報を紙に書き写していた。

(違うわ。デルフィーヌほどの人だから、調べ物をするのね。絶対に間違わないように)

 リティはデルフィーヌが苦手だ。

 しかし彼女が、いかなるときでも未来の王妃にふさわしくあろうと、努力を怠らない姿は尊敬している。

 外へ出るためにはデルフィーヌの横を抜ける必要があった。

 邪魔にならないよう気配を殺して扉に向かうリティだったが、なにげなくデルフィーヌの手もとを見てしまい、小さく声をあげてしまった。

「それ、間違っているわ」