辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 実家にはたった三人しか使用人がいなかったリティにとって、簡単なスープを作ることと付け合わせの芋を蒸かすくらいなら造作もない。

 ただしあくまで不可能ではないというだけで、他国の王族に提供できるような料理となるとお手上げだ。

(果物と言われたら、食べるものとして考えるのは当然だわ。だけどそれが想定されている試験だとしたら? もっとほかの活用方法を見つければ、独自性を出せるかもしれない。……兄さんだって、帯電能力を音を届ける能力に昇華させているんだから)

 無骨な長兄を思い出して、引き結ばれていたリティの唇がほころんだ。