辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 これまでに何度か訪れた植物学の本がまとめられた本棚の前で立ち止まり、自分の頬をぱちんと叩く。

(焦っちゃだめ。私は私のやり方でやろう)

リティは背伸びをして本棚の本を取り出した。

 赤い装丁の分厚い本を開き、索引からリコバの名を探す。

(この本もはずれ)

 誰もが知る果物だからこそ、本の中から情報を探すのは容易だった。

 環境さえ整えてやればどこまでもつるが伸びるため、非常に手入れが大変らしい。

 庭の隅に皮や種を捨てておいたら野生化し、家の壁を覆うほど繁殖したという話もあるようだ。