辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「――馬鹿馬鹿しい」

 ぴしゃりと否定したのはデルフィーヌだった。

 ふたりを見ようともせず、窓の外を睨みつけている。

「なんのためにそんな真似をするというの?」

「それはほら、邪魔な候補者を消して自分が選ばれようとするとか」

 振り返ったデルフィーヌがニナに歩み寄り、見下ろした。

「そんな家畜にも劣る卑しい考えの人間が、未来の王妃になれると思って?」

「卑怯な手を使ってでもなりたいんだよ。こういうのってどろどろしてるものじゃん?」

 ニナの言葉には妙に実感がこもっていた。

 それでいて本人は軽い口調で、瞳の色を鮮やかに変化させている。