辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「たまたまゴーレムに襲われたエリーズを見つけて、危ないところを殿下に助け出されるなんて、幸運なんて言葉じゃ言い表せないほど運がいいのね」

 それが誰に対してのつぶやきなのか、リティにはすぐわかった。

「私も一生に一度の奇跡を使い果たしたと思うわ」

 襲い掛かるゴーレムを思い出したリティの身体がふるりと震える。

(あれが走馬灯なのね。まるで時間が止まったかのようだった)

「やっぱり、私たち候補者を狙った誰かの仕業なのかなぁ」

 ニナのなにげないつぶやきが、リティを重い気持ちにさせる。

「その可能性はあるわよね。だってゴーレムは人の力でなければ作り出せないものなんだから」