辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 まだ背中に残る鈍痛に顔をしかめながら起き上がると、リティを見守っていたふたりがふらつく身体を支えようとする。

「殿下に感謝するのね」

 デルフィーヌが押し殺した声で言う。

「今度から人の忠告を聞くべきよ。もう少しで……死ぬところだったと聞いたわ」

「……そうね。あなたの言葉が正しかったのは否定できないわ」

 リティは壁にもたれ、自分の手のひらを見つめる。

「なにもできないくせに無謀な真似をするなんて。どうなってもおかしくなかった」

「だけどリティのおかげでエリーズは救われたよ。だから無駄じゃなかった」

 ニナがそっと付け加える。