辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 気がかりだった友人を探すと、エリーズは騎士のひとりに保護されていた。

 彼女の泣く姿を見て安堵する。

「背中は? 痛まないか?」

 リティを横抱きにして運びながら、ランベールが優しく問いかける。

 かなり気を遣っているのか、動くだけで鈍痛を感じていた背中はまったく痛まなかった。

 代わりになぜか、リティの胸が痛みに似た疼きを訴える。

「……ありがとう、ございました」

 ランベールの質問に答えるのも忘れ、リティは心からの感謝を口にしていた。

 ゴーレムを打ち倒すほどの炎の能力を持つ者など、この国の王族以外にはいない。

 気が緩んだのか、美しい新緑の瞳から涙がこぼれる。