辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 ゴーレムの攻撃はぎりぎりのところで避けられたが、次は間に合わない。

(嘘よ)

 リティは呆然とゴーレムを見上げた。

(だって私、まだなにもしていないわ)

 再びゴーレムがリティに攻撃しようと腕を振り上げる。

「い、や……」

 父や兄ならば、この状況からも打開策を見つけられたかもしれない。

 だが、戦いの経験もなければ、こういうときに使える能力も持たないリティには難しかった。

「やめて――!」

 縮こまったリティがあらん限りの声で叫ぶ。

 すると、ゴーレムの動きが急速に遅くなった気がした。

 リティの脳内に勢いよく懐かしい映像が流れ始める。