辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 それならば動ける自分が囮になろうと咄嗟に判断したのだった。

「ほら、こっちよ!」

 極限の状態にあっても、リティの背中はずきずきと痛みを訴えていた。

 その痛みが逆にリティの意識を覚醒させ、エリーズを守ろうという気持ちに火をつける。

「エリーズ! 今のうちに助けを呼んできて!」

「だめ……だめよ、リティ……!」

 エリーズの泣きじゃくる声が聞こえると同時に、ゴーレムがリティに向かって腕を振り下ろそうとした。

(動きが遅いわ。これなら……)

 避けようとしたリティだったが、急にずきんと背中が激しく痛む。

「あっ……!」

 足がもつれ、リティの身体は再び地面に転がった。