辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 呼吸さえ忘れる生まれて初めての痛みに眩暈を感じるも、そのまま地面に寝転がっているわけにはいかない。

 歯を食いしばって振り返ったリティは、顔のないゴーレムが自分を見ていることに気がついた。

(――怖い)

 エリーズと同じく、リティの身体も震える。

 しかし彼女はそれでも立ち上がり、ゴーレムと向き直った。

「ここに父さんたちがいなくてよかったわね。あなたなんて花壇の土にしてやったんだから……!」

 ゴーレムが身体の動きを変え、リティに向かって一歩踏み出す。

(そうよ。エリーズじゃなくて私のほうに来なさい)

 エリーズは今、まともに動けない。