辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「わ、私……ひとりになりたくて。ここなら誰も来ないって言っていたから……」

「今はそんな話をしている場合じゃないわ。急いで大広間に逃げるの。立てる?」

 エリーズは首を左右に振る。

「足に力が入らないんです」

 その言葉を裏付けるように、彼女の身体は小刻みに震えていた。

「じゃあ、私が肩を貸すわ」

「待って、だめ……!」

 エリーズが悲鳴をあげた瞬間、リティは振り返る前に彼女の身体を突き飛ばしていた。

「うあっ……!」

 リティの背中に重い衝撃が走る。

 土嚢で殴られたような鈍い痛みは、吹き飛ばされたリティの身体にゆっくりと広がっていった。