辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「この騒ぎを知らないかもしれないの。だから……」

 そのとき、奇跡か偶然か、リティの耳にエリーズの悲鳴が聞こえたような気がした。

「エリーズ……?」

「あっ、おい……!」

 微かに届いた声をたしかめるため、リティは騎士に背を向けて再び走り出した。



(こっちのほうから聞こえたはず……!)

 いつの間にかリティは外に出ていた。

 鳥舎まで来ると、繋がれた戦鳥たちが鳴き声をあげる。

 いつもならリティを見てうれしそうな声を出すのに、今は空気から漂う異変を察しているのか、緊迫した警戒音ばかりだ。