辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「ちょっと、ふたりとも! 喧嘩してる場合じゃ……!」

 止めようとしたニナを無視し、デルフィーヌはリティをまっすぐ見つめる。

「優先すべきは王家とこの国。その次に自分よ。たったひとりのために危険に飛び込むなんて、王族のすることではないでしょう!」

「友だちを見捨てるのが王族にふさわしい姿なんだとしたら、私は妃になんてなれなくてもいいわ!」

 そう言ってリティはデルフィーヌの手を払い、大広間を飛び出した。

(デルフィーヌが正しいのよ。わかっているけれど、私は王族じゃない)

 もしもこれが本当に試験なのだとしたら、リティはここで脱落だ。

 しかし、それでも止まれない。