辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 しかし返事はない。

「そんな、エリーズはどこに行っちゃったの……?」

「私、エリーズを探しに行くわ」

 再びニナの瞳の色が変化したのを見て、咄嗟にリティはそう言っていた。

「だめよ」

 思いがけず厳しい口調でデルフィーヌが止める。

「なにかあったらどうするの? 騎士団に任せておきなさい」

「でも、もしエリーズが危ない目に遭っていたら?」

「だからといってあなたになにができるのよ。ゴーレムの身体に花でも咲かせるつもり?」

「それでエリーズを助けられるなら――」

「あなたは未来の妃になるかもしれないのよ」

 デルフィーヌがリティの肩をきつく掴んだ。