辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「皆、わたくしたちよりも早く避難していたようね」

 張り詰めていたデルフィーヌの声が少し緩む。

「大広間から締め出されなくてよかったー。あとは騎士団に任せれば解決かな?」

 ニナの瞳の色も、今は穏やかな緑に変わっている。

「そうね。きっとこれでもう……」

 ふたりに同意しようとしたリティは、はっと周囲を見回して凍りついた。

「エリーズは?」

「えっ」

「嘘でしょう……?」

 ニナとデルフィーヌも辺りに目を向けるが、エリーズの姿がどこにも見当たらない。

「まだ逃げていないんだわ。本当にゴーレムの件を知らないのかも」

 リティはエリーズの名を叫んでみた。