辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「とっくに大広間にいるかもしれないでしょう。まずは私たちの移動が先よ」

 嫌な予感がするも、リティはデルフィーヌの指示に従った。



 大広間へ向かう途中の道はひどい騒ぎになっていた。

 候補者たちだけでなく、使用人たちも慌てふためき駆け回っている。

 そこに物々しい騎士が事態の収束に当たろうと集まるものだから、こういった状況に慣れない令嬢たちは完全に混乱していた。

 広い廊下には身動きが取れないほど人が集まり、あちこちから不安の声や悲鳴、泣き声があがる。

「ちゃんとついてきているわね!?」

 デルフィーヌのよく通る声が聞こえるも、本人の姿はとっくに人混みに紛れている。