辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 妖精(イリゼ)族のニナは人間よりも耳がいいのかもしれないと、リティがいち早く反応する。

 外の音に耳を澄ませると、遠くでか細い悲鳴が聞こえた。

「今の……」

「わたくしにも聞こえたわ」

 デルフィーヌもニナに続いて廊下を覗き込む。

「試験の結果を認めたくない候補者でも現れたのかしら?」

 あきれた様子デルフィーヌが言い、ニナも肩をすくめた。

 しかし次の瞬間、廊下から勢いよく老齢の使用人が飛び込んでくる。

「中庭で土人形(ゴーレム)が現れたという報告がありました! 速やかに城の大広間へ移動してください!」