辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 デルフィーヌが驚いて目を丸くするも、すぐにそんな自分を恥じたのか、リティから顔を逸らした。

「べ……別にあなたに褒められてもうれしくないわ」

 つんとした態度で言われ、リティはまた意外に感じた。

「もしかして照れて――」

 言いかけたそのときだった。

 話を聞いていたニナが弾かれたように立ち上がり、廊下を覗きこむ。

「どうかしたの?」

「悲鳴が聞こえたの」

 ニナがひどく切羽詰まった口調で言う。

 その瞳はランベールほどではないものの、燃えるような赤に染まっていた。

「なに? 悲鳴って……」