辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 鳥舎を出て西の邸宅に急ぎながら、リティは火照った頬を両手で押さえた。

(炎の妖精の加護があるって本当だわ。だって手がすごく熱かったもの……)

 ランベールのぬくもりがまだ手に残っている。

 なぜあんなに熱い手を握っていられたのか、リティにはもうわからなかった。



 妃候補としてやれるだけやりたいという気持ちを新たにしたリティだが、エリーズとの仲は依然として改善しないままだった。

 リティからも話しかけようとしたり、ニナが間に入ってくれようとしたり、仲直りをしようと頑張ってはみたものの、エリーズのほうがそれを拒んだためである。

(結局、今日までうまくいかなかったわね……)