辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「あ……」

 思わずこぼれた声は不安げにかすれていたが、別人のような艶を含んでいる。

 急に気恥ずかしさを覚えたリティの頬が赤く染まった。

「まだなにかご用でしょうか……?」

「あ、いや……」

 ランベールが自分でもわからないといった表情で、リティの手を解放した。

「まだ藁がついていると言いたかったんだ」

「そうだったんですね。教えてくださってありがとうございます」

 無意識にリティはランベールから距離を取っていた。

 貴族とは思えない落ち着きのなさで裾を払い直し、挨拶もそこそこにランベールのもとを逃げ出す。