辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 服の裾についた藁を払い、近くで様子を窺っていた戦鳥の首をとんとんと撫でた。

(本当にそんな日が来たらいいのに)

 戦鳥がリティの手に甘え、小さく鳴く。

「そうだ、殿下のお悩みは解決しましたか? 考え事をしたいと言っていましたが」

 リティが振り返ると、ランベールは視線を避けるように目を逸らした。

「……気にするな。大した悩みではない」

「もし、私にお手伝いできることがあれば言ってくださいね」

「……ああ」

 リティはまだ甘え足りない様子の戦鳥から離れ、ランベールに向かって頭を下げた。