辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「やっとわかりました。殿下がいつも優しくしてくださるから、幸せになってほしいと思うんですね。辞退すべきだと思うのにできなかった理由もそう。殿下の幸せのお手伝いがしたいから、悩んでいたのかも」

「……俺を幸せに?」

「はい。殿下はこの国のために結婚すると仰いましたが、私は、殿下には殿下のための結婚をしてほしいです。そのお手伝いができたらうれしいなって」

 ランベールが驚いたように目を丸くすると、炎の瞳が揺らめいた。

「そんなことを言われたのは初めてだ。乳兄弟でさえ、思っていても言わない。俺にそれが許されないのを知っているから……」

 ふと、ランベールが握ったままの手に視線を落とした。