辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「殿下にお伝えできたので、ある意味目的が果たされてしまいました。だから……」

 声が震え、リティは抱えた膝に顔を埋めた。

「その気がないのに残るのはみんなに失礼ですよね。殿下にだって」

「……俺は」

 温かなものが膝を抱えていたリティの手に触れる。

 それはランベールの手だった。

「君がいなくなると寂しい」

 リティは顔を上げ、先ほどよりも近い位置にいるランベールと見つめ合った。

「この城を後にするのは、君自身の力が不足していたときだけにしてくれ」

「どうして、そんな……」

「少なくとも俺は君を脱落候補に選ばない」