辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 候補者同士が揉めるのは珍しくないが、ランベールは水を差さずに黙っていた。

「彼女は真面目で……。だから、私の態度が許せなかったのだと思います」

「不真面目に見える真似をしたのか?」

「はい。……殿下の妃になりたい気持ちが、みんなよりも弱いので」

 がさりと音がした。

 ランベールが身じろぎした音だ。

「俺の妻になるつもりがない、と?」

 いつもの丁寧な口調が少し乱れている。

 リティはそれに気づかず、再びうなずいた。

「ないわけではないんです。でも、みんなに比べると……。以前、お話したかと思いますが、私の目的は辺境の生活環境の改善なんです」

「ああ、言っていたな」