辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました


(どうしても殿下が頭から消えてくれないの。……あの瞳も)

 炎に似た瞳を思い出すだけで、リティは落ち着かない気持ちになった。

 また胸の疼きを感じ、それを忘れようと繋がれた戦鳥を抱き締める。

「……ちょっとだけこうさせてね」

 リティのお願いに応え、戦鳥がクルルと喉を鳴らした。

 自分よりもずっと小さなリティに顔を寄せて、慰めるようにくちばしを擦りつける。

「ありがとう。優しいのね」

 鳥の意図に気づいたリティが力なく微笑む。

 ふわふわの羽毛に顔を埋め、重い息を吐いたときだった。

「そこでなにをしている」