辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 王子として生まれついたランベールが見てきた世界と、リティシアが見てきた世界はまったく別もののように聞こえる。

「言わなくてもいいことを言ってしまう。この結婚について、俺の考えを話す必要などないのに」

「今まで、ああいう女性が身近にいなかったせいでは?」

「……そうだな。それで……物珍しく感じているだけだろう」

 ジョスランがなにも言わずに唇を引き結ぶ。

「俺の相手は最初からひとりだけだ。ほかの候補者は選べない」

 無意識にランベールは拳を握り締めていた。

「こんな無意味な時間は早く終わればいいんだ」