辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 名前を呼ばれた鳥は不思議そうにリティを見た後、甘えた声で鳴き声を上げた。

 そして自身より小さい彼女に擦り寄り、頭をなでてほしいと顔を押しつける。

「こら、ちょっと待って! 今、お肉をあげるから」

 気温のためにほとんど作物が育たない地では、食料が非常に貴重だった。

 ヒューイのために用意したこの鹿肉も、リティにとってはちょっとしたご馳走である。

「もう! そんなにくっついたらあげられないじゃない!」

 笑い声をあげ、リティは擦り寄る巨鳥に向かって鹿肉のかけらを差し出した。

 リティの顔よりも大きいくちばしが、彼女の手から丁寧に肉をついばみ、すぐに上を向いてごくんと呑み込む。