辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「心配せずとも……と言うのもおかしいか。そもそも、これは恋愛できる相手を探すためのものではない。恋愛結婚など、貴族の身分であっても縁遠いものだろう」

「そう、なのですか。すみません、両親は恋愛結婚だったと聞いたので……」

 当時、クアトリーは無法地帯だった。

 先祖代々その地にいたリティの母は、ある日海からの侵略者にかどわかされかけたところをマルセルに救われたという。

 力強く頼もしい若者に一目惚れをするのは、別におかしな話ではなかった。

 そしてマルセルが淡雪のように儚く美しい少女に恋をしてしまうのも。