辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「その……こんなふうにお喋りをしていたら、結婚したいと思えるようになるのでしょうか。私はそういうときめきを感じた経験がないので……」

 リティには恋愛経験がない。

 それどころか、世の中の令嬢たちのように本や芝居で胸をときめかせたこともない。

 彼女の身の回りには、そういった『女性がこっそり楽しむ本』を渡す人間がいなかったからだ。

「なるほど、そういう……。いや、もっと政治的な話をされるのかと警戒してしまった」

 肩の力を抜いたランベールが椅子にもたれてほっと息を吐く。