食事の支度をしている時間でもない限り、食堂には誰もいない。
(まったく、父さんも兄さんたちも困っちゃう)
布でくるんだ鹿肉を手に、リティは外へ向かった。
食堂の裏口から屋敷を出ると、幼い頃から慣れ親しんだ冷たい風が頬を刺す。
これでも今日は暖かいほうだった。
彼女の住むクアトリーはエモニエ王国の北東のトルカ地方にある小さな領地である。
海に面してはいるが、魚よりも流氷を拾うほうが多い極寒の地だった。
リティは足早に粗末な厩舎へ向かうと、そこに繋がれた巨大な茶色い鳥に声をかける。
「ヒューイ、久し振り! 私のことを覚えている?」
(まったく、父さんも兄さんたちも困っちゃう)
布でくるんだ鹿肉を手に、リティは外へ向かった。
食堂の裏口から屋敷を出ると、幼い頃から慣れ親しんだ冷たい風が頬を刺す。
これでも今日は暖かいほうだった。
彼女の住むクアトリーはエモニエ王国の北東のトルカ地方にある小さな領地である。
海に面してはいるが、魚よりも流氷を拾うほうが多い極寒の地だった。
リティは足早に粗末な厩舎へ向かうと、そこに繋がれた巨大な茶色い鳥に声をかける。
「ヒューイ、久し振り! 私のことを覚えている?」

