辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「ごめんなさい。この後、予定が入っているの」

「そうなのね。じゃあ、また別の機会にゆっくりお話ししましょう」

「ええ、ぜひ」

 ブランシュはリティに軽く手を振り、早足でその場を立ち去った。

 走っているはずなのにそうとは見えないほど品を感じ、素直に感心する。

(私もあんな淑女になるべきなのよね、うん)

 同室のふたりとは違う新しい友人を得て、妃候補になってよかったと思う理由がまたひとつ増えたリティだった。



 そしてついに、リティがランベールと話す日がやってきた。

 陽が暮れる少し前、リティは手紙に書かれていた場所へと向かう。