辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 ブランシュが興奮を示すのはこれで三度目だ。

 すっかり慣れたリティは、はしゃぐブランシュを見てくすくす笑った。

「兄さんには悪いけど、私は氷よりも炎のほうがいいな。温かいし」

 幼い頃、頬に氷の塊をくっつけられたことを思い出したリティが言う。

 妹に尊敬されたいジョエルがやらかした出来事のひとつである。

「……そう?」

「身近すぎて特別感がないのかもね。寒い土地と、兄さんのせいよ」

「わたくしからすればうらやましいわ」

 先ほどよりは幾分落ち着いたブランシュが目を伏せる。

 そして顔を上げ、なにかに気づいたようにあっと声をあげた。