辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 ブランシュは声を潜め、周囲を確認しながら言った。

「妖精って本当にいるのね」

 リティがつぶやくように言うと、ブランシュが深くうなずいた。

 この地に生きる者は皆、妖精からの祝福と称した特別な能力を発現させるが、実際に妖精からもらうわけではない。

 気がつけば立って歩けるようになっているのと同じように、いつの間にか身についているものなのだ。

「クアトリーにも氷の妖精の申し子がいるのよね。一度お会いしてみたいものだけど」

 聞いた覚えのある呼び名に、リティは苦笑する。

「それはたぶん……私の兄よ。とても強い氷の力を持っているの」

「素敵……!」