辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「でも、もしかしたらブランシュが殿下に選ばれるかも。そうしたら殿下と一緒に来られるのかしら?」

「行けないわ」

 ブランシュが断定的な口調で言う。

「だって殿下は炎の妖精の加護を受けているもの」

「それってクアトリーに来られない理由と関係ある?」

「あるわ。だってここの湖が凍らないのは、王家の力のせいでしょう?」

 ランベールや現国王が居を構える城は、海と見紛うほど巨大な湖の中心にある。

 そのため王都からは橋を渡ってくる必要があるのだが、リティは湖が凍っていない理由を深く考えたことがなかった。

「炎の妖精は城のどこかにいるそうよ」