辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 記憶に引っかかったその名を、リティは顔合わせのパーティーで聞いていた。

「最初に自己紹介をした方ね?」

「覚えていてくださってうれしいわ。ブランシュと呼んで」

 好意的なブランシュに喜び、リティは素直にうなずく。

「じゃあ私のこともリティと呼んでね。ブランシュはここでなにをしていたの?」

 薬草と繋がりが深いニナはともかく、ほかの令嬢たちは鳥舎と同じくらいここに寄りつかない。

 植物の独特な臭いが漂っているうえ、咲く花も地味なものばかりだからだ。

「わたくしの力を活用して、なにか手伝えないかと思ったのよ」

 そういえば、と再びリティは彼女の能力を思い出す。