辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 彼女の姿が浴室へ消えてから、ニナが声をひそめて言った。

「デルフィーヌって、いつも遅くまでどこでなにをしてるんだろうね?」

「さあ……。図書室で勉強してるとか?」

「それはないと思います。デルフィーヌさんを図書室で見かけたことがありませんから」

「聞いても教えてくれないわよね、きっと」

 リティはデルフィーヌが向かった浴室の扉を見つめる。

「未来の妃にはやっぱりデルフィーヌが選ばれるのかなぁ」

 ニナのひと言に、エリーズがぴくりと反応する。

「可能性は高いでしょうが、私たちが選ばれる可能性もゼロではありませんよ」