辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 怪我や病気になった鳥のために、ありったけの知識を叩き込みたいと思ったからだった。

 特にリティの花を咲かせる能力は薬草園で重宝され、貴重な薬草を管理する責任者に喜ばれた。

 陽が暮れたら、夕食の前に羽の手入れを行う。

 そのあとは名残惜しげに鳴き声をあげる鳥たちと断腸の思いで別れ、一日を振り返りながら夕食と入浴を済ませて眠りにつくのだ。

「最近、部屋にいないと思ったらそんなことをしてたんだ。おもしろいね」

 入浴を終えたばかりのニナが、自らの髪を風の力で乾かしながら言う。

 彼女が妖精から与えられた祝福は、風を呼ぶこと。暴風を呼べるほどではないため、戦いの場では役立たない。