辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 そう思っていたリティだったが、鳥舎に着いた途端、その考えが吹き飛んでしまった。

(なんてたくさんいるの!)

 鳥舎には、少なくとも三十羽以上の戦鳥がいた。

 どれも立派な体躯で、リティが三人乗っても平気な顔で空を駆けそうだった。

「か……かわいい……」

 もともとリティは戦鳥が好きだ。

 あまりにも愛しすぎて、一度兄たちに引き離されたことがあった。

 父の知り合いのロベールが連れてきた相棒のヒューイを、一日中なで回していたせいだ。

 そのため、一般的な貴族ならば顔をしかめそうな独特な鳥の香りも気にせず、目を輝かせながら鳥舎に近づいた。