辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「だけど少なくともひと月以上、同じ部屋で生活するのよ。少しくらい、仲良くなろうとは思わないの?」

「思わないわ」

 きつい眼差しで睨まれたリティが肩をすくめる。

「そう。じゃあ私もあなたと仲良くなろうとするのはやめておく」

「そうしてくれるとありがたいわね。もっとも、あなたが殿下とふたりで話す頃までここにいられるとは思えないけれど」

 昨日に引き続き気まずい空気が流れ、リティはすっかり落ち込んでしまった。

(そんなに言わなくてもいいのに)

 リティを侮辱した令嬢たちと違い、デルフィーヌは差別的な感情からきつい言い方をしているわけではなさそうだった。