辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「ここにいる間、予定がある時間以外は好きに過ごしていいって聞いたよ」

 それはリティが城までの案内人に聞いた話だった。

 候補者には選考試験があるが、それ以外の時間は自由行動をしてかまわない。

 ただし、王都まで出たいのなら許可が必要になる。

 代わりに城にある多くの施設の仕様が許されるのだ。

 多くの書物が収められた図書室や、貴重な薬草が育てられている薬草園。吹雪の日だろうと花が咲いている温室もあれば、兵士たちが鍛える兵舎もある。

 リティが興味を示したのは戦鳥の世話をする厩舎だったが、それを聞いた案内人はあまりいい顔をしなかった。

「私は適当に過ごそうと思います」